“教える”、“叱る”、“怒る”、この3つはなにが違うかわかるか、いとしい娘よ。
五厘刈りの頭がこんがり色づくために十分な太陽の光が降り注ぐ日が続いております。色/形は好きなのに、いまいちしっくりこなかったKANGOLの柄物ハンチング帽が、今ではスタメン筆頭になりました。頭の印象の大変身により、休日のおしゃれがわたしのひそかな楽しみです。
そうそう、おしゃれてでいえば、長らく探していた白いTシャツに朗報がありました。何気なく家族で立ち寄ったGUで妻がついにわたしのこころをを満足させる一品をみつけてくれたのです。少なくとも5年以上も前からですが、本当に出会いは突然ですね。またそれを感じたのが、仮にわたし一人で入店していたならば、今回もみつかることはなかったからです。というのもとあるレディースのXLサイズのTシャツがわたしの探し求めていたそれでした。白Tといえばだいたいの店で少なからずおいてあります。ただ、1枚でさらっときれる透けにくい適度な厚み、少し手を加えた襟元やシルエット、VラインになるようなルーズなデザインはNG、この3つの条件に合致するものが案外なかったのです。さらに抜け目のない妻のこと、@750円、good price…。五厘刈りにしてから、やりこんだゲームで隠されていた新しい攻略ルートがみつかったときのような、やりなれた日常に吹き込む新鮮な展開にとっても充足しております。
さて、五厘刈りで拍車をかけて人相が悪くなった父ちゃんは、もともと妻以上に子たちには厳しく接しております。泣かした回数もケタ違いでしょう。しかし、4歳の娘のオヤスミスポットは父ちゃんの隣が一番人気なのです。娘をもつ父でしたら、誰もが思う「娘にだけは嫌われたくない・・・。」にずっと恐れおののいています。が、将来の娘のため…、わたしの好感度を犠牲にしてでも言うことは言おう!と励んで本当によかったと思っています。
しかし、ただ鬼のように厳しくするだけでは嫌われてしまうのはわかっていました。そこで、編み出した三段構え、“教える”叱る“怒る”が今回のお話です。
22.5.13のお話でかきましたとおり、恐怖を感じてしまうと相手の話を理解/吸収する能力がぐっと低下してしまいます。実際娘から「父ちゃんこわいから、嫌なの・・・」と胸をザックリえぐられた時期もありました。これでは、娘からすれば父ちゃんはただ怖いだけ、父ちゃんただ娘に嫌われるだけという地獄絵図です。ですので、その諸悪の根源である恐怖を取り除きながらお話をきいてもらうための方法を考え、決意表明というかたちで娘に伝えました。
(以下回想シーン)
「…〇〇ちゃん(いとしい娘よ)、ええか。父ちゃん怒ると怖いよね、嫌やんな。せやから、父ちゃん今日から怒るんやめるわ。その方が〇〇ちゃんもうれしいやんな?」
「うん。(コクン)」
「ほんまは父ちゃんも怒りたくないねん。やって〇〇ちゃん怖いの好きやないやん?〇〇ちゃんのこと父ちゃん大好きやのに、怖いから嫌われてしまうやん。それでもダメなことをそのままにしておくと、〇〇ちゃんがほかの人に迷惑かけたり、みんなから嫌われたりして〇〇ちゃんやお友達が悲しい気持ちになるかもしれへんから、今のうちにちゃんと〇〇ちゃんに言うのが父ちゃんのおシゴトなわけ。」
「(コクン)」
「やからこれからも言うけど、言い方を変えます。3つあるんやけど、“教える”、“叱る”、“怒る”はなにがちゃうかわかる?」
「わからん(ブンブン)」
…と、こんな感じで3歳だったある日の洗面所でわたしの気持ちも含めて正直に娘にお話ししました。3つの違いは一体なにか、わたしは次のように娘に言い聞かせました。
1,教える
絶対しないといけないことはないけど、別の方法もあるよっておはなしすること。で、次からどうするかは自分で考えてやりたい方法を選びなさい。
2,叱る
教えると同じようにおはなしするんだけど、教えるとちがうところは、誰かに迷惑をかけたり嫌な気持ちにさせたりするから、今までのやり方はやめなさいというところ。どうしても違うと思うんやったら、大人になってから好きにしなさい。大人になるまでは親である父ちゃんと母ちゃんが法律で〇〇ちゃんを守るために叱らないといけないし、大好きな〇〇ちゃんに父ちゃんもそうしたいからあきらめてゆうこと聞きなさい。
3,怒る
もやもやした気持ちをぶつけて、強い言葉や怖い顔で相手を攻撃すること。いままでは父ちゃんがしてたのがこれ。なんで〇〇ちゃんがしてくれないの、悲しい!腹立つ!いやだ!っていうのがこれ。もしも〇〇ちゃんが叱るよりも怒るのほうがいいんやったら、そうするよ。ほんで、もしも父ちゃんが怒ってたら叱ってね、すぐやめます(ビシッ)。
大事なことは父ちゃんが言っていることを〇〇ちゃんがわかって次から考えてできるようになること。だから、どうしてしないといけないか、しないとどうなるかも言うからちゃんときいてね。OK?
…表情や言葉尻こそ優しいものの、幼児相手にも全く手加減しない内容で対等に向き合うことにしました。ですが本人もその方がうれしいようです。以後ちゃんと話も聞くし、なんでなの?とわからないことは聞き返してくれるようになりました。相手が幼いからといって、論理をつたえなかったなり、省略したり、こちらの都合よく感情でごまかしたりすることは、正確に相手に伝わらないことがよくわかりました。またこちらの真剣味や味方なんだという姿勢がおのずと伝わるので、子どもも安心した表情で話を聞いてくれます。
子どもの性格にもよりますので、万能の方法とは思いません。ですが、奥様からのがつんといってよ!という要請と娘からのお父ちゃん嫌いの恐怖に板挟みになられている心優しいお父様にはぜひなにかの一助になれば幸いです。
今日もお付き合いありがとうございます。
ではまた。
追伸
イイね(ほう、なるほどな。)、フリーコメント(いやーそんなうまいこといくかいな???、うちはこんなことが難儀だわー、さらにこんなワザもありまっせ、このワインおいしいで、文章ながいわ!)などなどブレイクがて一口くださいますと、とっても励みになります。