23.7.2【もしかしたらうつ(鬱)かも…と思ったとき。】_最後に“I”は勝つ。feat.うつ(鬱)。(前編)

対するは、孤独_義経最後の地(岩手県_高館)

この病気の恐ろしいところは、“意図的に”対策を取らない限り、“無自覚なまま”進行する点です。

じゃ、じゃん!のっけからですが、ここで皆さんにクイズです。

時は90年代前半、米国ニューヨーク市にある大転換が起こりました。それは年間62万件(単純計算なんと一日当たりおよそ1,700件)も発生していた凶悪犯罪が、ある出来事を発端に激減します。これまた驚きの5年間でおよそ半減の35万件(一日当たりおよそ960件)まで減少したそうです。では、その発端となった出来事は一体なんでしょうか???

・・・正解は、「地下鉄での落書き&無賃乗車の撲滅運動」、でしたー!!!
いかがでしょう、難しかったでしょうか。ところで、きっとわたしだけではないとも思うのですが、なんとなく正解に意外な感じがしませんでしたか?ほんとにそうなの???っていう印象です。てっきりもっと対策費用が膨大にかかる直接的でハードな対策をイメージしました。例えば、町中に監視カメラをセットし、武装した警察官で見回る、のような。しかし、事実は比較的低コストで実施の難易度も決して高くないプランで見事目的を達成することができたということなのです。

へぇ〜って感じですよね、もちろん知ったばっかりのネタでただクイズがしたかったわけではありません(笑)。ですのでこのあたりでこの事例をご紹介した理由についてお話します。わたしは過去に“うつ(鬱)”で苦しんだ経験があります。そして今回本で読んだこの事例は、当時もしも知っていればきっと予防に役立ったであろうヒントにつながると思ったのです。そのヒントを言い換えると、これまでわたしが知らなかった“人間の感情や行動を決定するキーポイント”は一体何なのか、ということです。

そんな今回の投稿についてですが、このテーマの投稿は話の性質上、熱がこもってどうしても長ーくなります(笑)。ただ、せっかく読んでくださる皆さんに、(幸いにも)病気がまだ経験ないよという方々も含めて、少しでも伝わりやすい内容にしたい。そこでまずはうつ(鬱)について、ざっくり知っていただけるようわたしの体験談をかいつまむところから始めたいと思います。どうぞお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

ある朝、その“デッドライン”は突然やってきました。このところ毎朝出勤前に一息ついて気持ちを整えるのはトイレの個室です。その日もいつも通り定時が刻々と近づき、もう行かねばと仕方なく覚悟を決めたちょうどその瞬間でした。うつむくわたしの両手足は硬直と痙攣を始め、突然コントロールを失いました。呼吸は荒く冷や汗をかいてその場から動けない、まるで全身が恐怖ではりつけにされたような感覚です。そうしてその後およそ4か月の休職となったのでした。

デッドラインと書いたのは、もはや自分の中だけでどうこうの話ではなく、周囲を巻き込む事態となり、これまで通りの生活を続けることができないという意味です。つまり、この日を迎える前にいかにして手を打ち、甚大な健康被害を回避するかに着目することが有効だと言えるでしょう。では、その日を迎えるまでの病気の症状はどのような経過をたどるのでしょうか。まず先のように、体になにか拒否反応のような異常がでれば、それはもうアウトです。つまり、長期の回復期間を要する手遅れの状態です。通常はそれまでに落ち込んだ気分が続き、判断したり決断したりする力や毎日を生きる活力が時間をかけて失われていきます。生活面では、たばこの本数増加、食欲とそれに伴う体重の増減にというような兆候もあります。わたしの場合は、たばこが3→10本/日と3倍になり、食事は夜の1食だけというのが当たり前になりました。喫煙所はさながら生きた心地がする唯一の場所。作ってくれた妻に申し訳なく心配をかけたくないので、空腹無くして口に入れるのが夕食でした。仕事面では、何年もしている書類作成にこれまでの何倍もの時間がかかったり、簡単な計算が難しく感じたりします。次第に仕事をすることや出社することを、“怖い”と思うようになります。しまいには同じような心境から会話の受け答えが思うようにできず、人と話すことを避けるようになりました。

この病気の恐ろしいところは、“意図的に”対策を取らない限り“無自覚なまま”進行する点です。徐々にではあるものの確実に悪化していきます。あとから振り返ればこのように普通に書けますが、当時はそんなわかりやすい兆候にさえおかしいと気づくことができないのです。上司が心配して個室にわたしを呼んで話をしてくれます。しかし、意味が遮断された音だけのように聞こえ、必死にペンを動かしたはずのメモ書きは後で見返しても要領を得ません。そしてその原因は、自分が無能力で努力の足りない人間だからだ、自分はなんて価値のないダメなやつなんだ、、、となります。なぜならこの時点ですでに自己肯定感は低下し、判断力は鈍っています(脳内では蓄積されたストレスのせいで、セロトニンという幸福を感じる神経伝達物質が減少した状態になっています)。その結果、「休養を取る」という本来であれば普通に取れる必要な選択肢が頭から消去されます。そしてあろうことか、先のように自分を責めて攻撃してしまうのです。
「うつ_兆候_サボり_違い」とスマホ検索することももちろんありました。そうするとどうなるでしょう。自分だけはうつ(鬱)になるはずがない、と最後に思うんですね。その状態でありながら発症しないことになぜか絶対の自信を持っています。なのでうつ(鬱)かサボりかで言うと、結局はサボりだと事実に合わない結論に至るのです。こんな風に逃げようとする自分は最低だ、迷惑ばかりかけて、自分はなんて・・・(以下同文、割愛)、となります。もうこの負の堂々巡りの繰り返しです。ある一定のフェーズを超えるともはや自分の力だけで治癒の方向に舵をきることは難しいのではないか、というのがわたしの感覚的なところです。

以上、体験談からうつ(鬱)について感覚的な要素をメインにご紹介しました。ここまでお付き合いくださりお疲れさまでした。なんとなく肌感覚でもお伝えできていれば幸いです。そしてさぁ、皆さん!やっとここがマラソンでいう折り返し地点ですよ(笑)。後半は休養期間に理解したわたしのうつ(鬱)の主要因と、冒頭の“人間の感情や行動を左右するキーポイント”の正体。この2つをリンクさせて、“もしも当時に戻るとしたらいかにして予防するか”という視点からまとめたいと思います。

今日もお付き合いくださりありがとうございます。
ではまた。

まるで別世界となる_明石海峡大橋_裏側

投稿者:

buoyutto_jin

For. My Reader... 1990年生まれ/神戸出身/心身ともに男性/4人家族子供2人(男女比2:2)。 家族からの呼び名はダウアン。(キッズ達により命名) 社会人9年目の2021年にうつ症状で休職2か月。再発対策でブログの開設を思い立ちました。回復して働き出すも束の間、まさかの翌年6月に5年生存率15%以下の希少癌が発覚(ブログに記載あり:My Home Is Sweet.)。以後、闘病生活にいそしんでいます。 それでも、わたしは幸せです。日々幸せは心の持ちようでいかようにも決まります。そんなわたしの心の軌跡をここに書き残します。   For. My Family... いつか読んでほしいけど、本当は読んでほしくない。 読まずとも幸せに過ごす毎日を願って綴る、未来の我が子へおくる父のバイブル。

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