23.7.2【もしかしたらうつ(鬱)かも…と思ったとき。】_最後に“I”は勝つ。feat.うつ(鬱)。(後編)

愛ある所に愛実る_針金アート

自分の身を置く環境が“無自覚”のうちに、内面の意思決定や行動に作用するということ

「あの女優です、ほらー、最近よくCMにも出ている、同い年ぐらいのかわいらしい子ですよ、名前なんでしたかねー。」「あぁわかる、わかりますよ。あのNHKの連ドラにも出てる子ですよねぇ、ヒロイン役の」「そう、そうですそうです!えー、、、それでその子がですねー、あれでこれで、、、。」⦅…で、結局名前なんやったっけ…?あー、ここまで出かかってるのに出てこず!あー気になるー!⦆、、という例のアレ、ありますよね。そして後からおもむろに「そう!、浜辺美波やー!」っとなって、ようやくスッキリするアレです。それまでは全く気にもならなかったはずなのに。いったんそうなるとしばらくは何をするにしても、頭にこびりついてくるのが妙というか不思議なものです。ちなみにこのアレが固有名詞で頻発している気がしますね、悔しいですが年々(笑)

そして似たようなことが先日もありました。ブログの引っ越しを終えた後のことです。しばらくしてから、あることに気づきます。それは更新のたびに心温かい方からいただいていたページ毎の「いいね」がパタッとなくなったことです。やはり自分の作品に対して反応をいただけることはうれしいもの。まさに心の励みになっていたものですから、一度気づくとこれが執筆中もずーっと気になってしまいます。⦅…あぁやっぱりサイトの変更がよくなかったなかなぁ、もろもろのセンスがイマイチやったかなぁ…。⦆…ウジウジ(笑)⦅そうは言っても、無いものはやむなし!よし、次こそは!⦆という感じで、最終的には励みにしたりしていました。そうして気持ちも新たにサイト編集作業に取り組んでいたある日のこと。ついにその真相を知ることとなりました。「…あらー?もしや、いいねボタン、、、そもそも設置されてないやんかーっ!!!結果オーライだけれども!これまでの気持ちの葛藤よ、さぁ、どうしたものか(笑)」どうやらサイトの引っ越しに伴い、設定が初期化(非表示化)されていたようです。

もーほんとに…。自身の早計さにあきれつつも、事がはっきりスッキリして一件落着です。それにしても小さな事とはいえ、事実を正確にとらえないことでずいぶんとややこしいことになるものです。なにはともあれ、心も晴れやかにこれからもコツコツやっていきたいと思います。なおボタン設置後、またその方は再びいいねをくださり、新しい方からもいただくことができました。それらの方々はもちろん、全ての読者の方々に改めまして感謝をお伝えいたします、お越しくださり大変うれしく励みになっております。

さて、前回のテーマの後編です。が、最初に言います。後編、長いです!(笑)
ただその分気持ちは十分入った投稿になっております。どうぞ気長に最後までお付き合いくださいませ。うつ(鬱)の体験談をベースにした前編に引き続き、休養期間に理解したわたしのうつ(鬱)の主要因と、“人間の感情や行動を左右する重要なポイント”の正体。そしてこの2つをリンクさせて、“もしも当時に戻るとしたらいかにして予防するか”という視点からまとめたいと思います。

いつの間にか悪化してついには体にまで物理的に変調をきたすこともあるこの病気ですが、落ち着いて見つめなおすとやはり主たる原因が見えてきます。わたしの場合は2つです。影響の大きい順に偏った認知のクセ、②上司との相性が良くなかったこと、です。そしてこの2つはそれぞれ➀内面的&②外面的な原因と言い換えることができます。
当時、わたしは営業職をしておりました。その当該上司は他店からの転勤でやってきました。タイプとしては、どちらかというと勢いとガッツのあるホットな気質。見た目は濃いめ&色黒で大柄、年齢は50歳オーバーで貫禄も十分。プレーヤーとしてもマネージャーとしても実績と経験の豊富な、一言でいうと昭和の頼れるアニキ、といったところでしょうか。そんな上司の指導方針はしっかり自身で部下に目を配り管理教育するというもの。面倒見がよく細かいチェックが入ることでたくさんの成長材料が与えられます。事実わたしにとって、今後の営業人生で欠かすことのできない品質管理の真髄を教わり、かけがえのない一生の学びとなりました。

ただし、なんでもそうですが、長所があれば短所にもなるように両側面があります。テコ入れのきめ細かさが学び多き反面、ある程度の年次を経ている分ストレスに感じられることもありました。個人裁量で仕事を進められるウェイトが高い点がわが社の特長にあげられます。つまり自分の決断で仕事を前に進められることであり、それはわたしにとって大きなやりがいでした。それが自分でなんでも決められなくなったことで、ずいぶんと不自由に感じられてしまったのです。そして、そんな日が続く中で転機となる大きなミスをしてしまいます。その際、何気なく言われた「普通ははこれぐらいできるはずなのになぁ」というニュアンスの上司の言葉がわたしの心に深く突き刺さりました。まるでこれまでの経験が全て意味の無いものように感じてしまったのです。わたしはこれまでのスタンスを改め、素直に一から学びなおそうと心の中で誓いました。

しかしその出来事以来、上長からのアドバイスに対してやり方に納得ができない場合でもそのまま仕事を進めてしまうこと多くなってしまいました。わたしの意見はさておき、まずは上司のやり方を実践して学び取ろうとしたわけです。しかしそのわずかな歪は繰り返されることで思わぬ形で作用します。積み重なる疑問はやがて自分への不信に変わり、自身を支える自己肯定感が徐々に失われてゆきました。その結果、学びをはるかに上回るストレスによって、わたしは押しつぶされてしまうこととなりました。


こうして振り返ってみると、上司に対するわたしの考え方はかなり極端な部分があったことがわかります。言われたことは全部100%やらなければならない、であるとか、1つのミスまたは注意によってこれまでの経験が全てダメだと決めつける、などという思考です。これらは偏った認知(バイアス)であり、無意識のうちに“思考のクセ”事実をありのままに受け取ることを阻害します。わたしはこれを認知行動療法という治療を実践する中で学ぶことができました。
こちらがその時の本になります。『今日から使える 認知行動療法:福井至 (監修), 貝谷久宣 (監修)』(この本の情報は*書籍一覧にも詳しく記載してます!ぜひどうぞ。)

わたしと同じ状況に身を置いても、生き生きとしている人もいるでしょう。つまり、ストレスと感じるかどうかは実は自分自身が決めているということなのです。事実、わたしの同期で同じ上司の下で大活躍をした人間がいますが、メンタルで悩むようなことはなかったそうです。また冒頭のいいねのお話も同様です。原因についてわたしはブログページの不出来(自分のせい)だと最初に考えました。しかし人によっては、システムのエラーを想定したり、いいねをくださる読者の方の体調を心配するといったことも普通に考えられるわけです。

さて、ここで満を持してもう一つの重要な項目である“人間の感情や行動を左右するキーポイント”の正体についてお話します。それは、自分の身を置く外環境が無自覚のうちに内面の意思決定や行動に作用するということです。前編冒頭のクイズの答えである落書き&無賃乗車の撲滅運動は、多くの市民が利用する地下鉄の環境を改善(変化)させることで、犯罪を犯すような雰囲気ないしは気分にさせないようにしたことが町全体の治安につながったのです。逆の事例でいえば過去によく騒ぎになった渋谷のハロウィンの暴動が該当するでしょう。あの場所あの雰囲気に足を踏み入れれば、普段は善良でおとなしい性格の人でさえ車をひっくり返すような驚きの行動にでても決して不思議ではないということです(割れ窓理論とも言われています)。

なお、ご紹介の事例はこちらの書籍で知りました。『急に売れ始めるにはワケがある ネットワーク理論が明らかにする口コミの法則:マルコム・グラッドウェル (著), 高橋 啓 (翻訳)』(この本の情報は*書籍一覧にも詳しく記載してます!ぜひどうぞ。)

この無自覚のうちに外環境から受ける影響の強さを当時のわたしは全く理解していませんでした。いつも通り一日中上司と同じデスクで仕事をし、当たり前のように一人で営業活動を行っていました。精神状態が通常では問題ない普通の環境です。しかしすでにストレスを抱えた精神状態ではそれらがさらにリスクを高める外環境となり得るのです。事務作業中の上司との物理的距離の近さはストレスをさらに助長することとなります。はたまたコロナ禍で推奨された直行直帰で、同僚と会うこともなく一人で長時間にわたり身を置く営業習慣。それは偏った思考とも相まっていつしか抱えている状況は一人で解決しなければならないという暗示をかけました。そして気軽に誰かに相談するきっかけから自分自身を遠ざけることになっていようとは気づきもしませんでした。

あなたは何かをしようと決めるとき、どのようにしてその内容を決めていますか。自分の意志のみで決めたと思ったことも、実は外面的なものが良くも悪くも無自覚的に内面に強く作用しているのです。そしてこの良くも悪くもというのがこの現象の恐ろしいところです。悪い場合はどうするのか。影響を及ぼすものは突き詰めると自分自身の内側か外側にしかありません。だとすると、解決策は無自覚に影響してくる外環境の存在を認識するよう、自分で内面をコントロールする他ありません。つまり、健全な外環境を意識的に自分で作ってあるいは選んで身を置くことが重要なのです。

“もしも当時に戻るとしたらいかにして(うつ(鬱)を)予防するか”については、これまでのことからはおのずと見えてきます。まずは自分の思考のクセを認めること。次に、ストレス要因の発生に備えて準備を先にしてしまうこと。考え方も実際の行動内容はもちろん、特に弱点となるシチュエーションでは事前にセリフまで準備します。そして内面に干渉してくる無自覚な外環境を有意識下とすること。さらに可能であれば、ニューヨーク市の事例のようにリスクとなる外環境を変えてしまうことです。具体的には、自分自身を責めやすい考え方に注意し、上司との意見が食い違ったときにどのようにすり合わせるかをシミュレーションし、その時の自分の言葉や姿をイメージします。そして週に何度かは同僚と情報交換の機会を確保する、などがあり、休養期間中に実践することで復帰に備えました。

うつ(鬱)についてわたしのケースを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。「え、そんな小さなことで?」と思われることもあるかもしれません。ただ、そんなわたしが病院で受けたテストではストレス強度は高いとの結果でした。意外にもストレスに対する耐性はあるよ、とのことなのです。わたしに足りなかったのは、ストレスを処理(コントロール)する能力です。コップに注がれる水を想像してみてください。注がれ続ければどんなコップでもいつかは必ず溢れます。たとえば、大ジョッキとおちょこに同じように水が注がれたとして、どちらに分があるかは中身があふれてしまう前に中身を捨てることができるかどうかで決まることは言うまでもありません。これまでわたしが幸運にも大丈夫だったのは、たまたま誰かがあふれる前に水を抜いてくれたおかげだろうと思います。

うつ(鬱)はおもわぬきっかけから、いつのまにか蓄積し忍び寄る病気です。長期休養というデッドラインがおとずれるずっと前の初期段階、まだ判断能力が正常に近い段階で対処しなければならないことを学びました。そして外環境という強い影響下においても最後に勝つのは“I”、己(内面)だということを意思決定の仕組みとともにに気づき確信に至りました。自分の健康は自分で守ること、健康はすべてに優先するということを強く意識し、決して忘れてはいけません。

結びになりますが、先日ショッピングセンターで枕を買いました。ウン万円の品々が並び、最近の枕事情に驚きとともに圧倒されているわたしに、「これどう?」とどこからともなく即座に2,000円のまくらを差し出す妻。間違いなく一番安いやつ、ほんとに頼りになります、キミに決めた。いざ家に帰って使ってみるとそれが超安眠、硬さもストライクゾーンど真ん中。きっと妻が選んでくれた枕だからかなーなんて言いつつ、ほんと流石だなと感心しました。人それぞれ好みはバラバラです。いつでも自分の心に素直に従うことがストレスを溜めない最良の選択だと思います。安心してください、命までは取られる筋合いは有りません。あなたの世界は貴方を中心に回るのです。遠慮は要りません。そうして進みゆく道は必ず晴れます。

今日も長らくお付き合いくださりありがとうございます。
ではまた。

心落ち着く場所に身を置くということ_京都寺院

投稿者:

buoyutto_jin

For. My Reader... 1990年生まれ/神戸出身/心身ともに男性/4人家族子供2人(男女比2:2)。 家族からの呼び名はダウアン。(キッズ達により命名) 社会人9年目の2021年にうつ症状で休職2か月。再発対策でブログの開設を思い立ちました。回復して働き出すも束の間、まさかの翌年6月に5年生存率15%以下の希少癌が発覚(ブログに記載あり:My Home Is Sweet.)。以後、闘病生活にいそしんでいます。 それでも、わたしは幸せです。日々幸せは心の持ちようでいかようにも決まります。そんなわたしの心の軌跡をここに書き残します。   For. My Family... いつか読んでほしいけど、本当は読んでほしくない。 読まずとも幸せに過ごす毎日を願って綴る、未来の我が子へおくる父のバイブル。

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