純度100%の表現ができるところがアナログの強み。
先日、日経新聞にスイス時計の特集がありました。今では確固たる地位と名声を誇るスイス時計ですが、昔は日本の時計に席巻され一時は衰退したこともあったそうです。それでもこだわりぬく職人時計を貫いて復活したということでした。時計の内部を見ましたが磨き上げられた数々の部品たちがちりばめられ、まるで万華鏡のようでした…。
その記事でわたしが最も印象に残っていることがあります。われわれの仕事では期限、タイムリミットに常に追われる日々ですよね。しかし驚いたことに、彼らの業界においては期限ありきではありません。気になるところがあれば、たとえ見えない部分でも納得するまで仕上げるというスタンスだそうです。ちなみに職人が年間に制作する時計は50個程度とのこと。年単位での順番待ち、数百~数千万円とのお値段がつくことも、最高のものにするために手間暇を惜しまない姿勢からなんとなく腑に落ちるような気がしました。ただ同時に、そんなお値段の時計を片手につけられるお金と度胸がなかなか…とも思いました(笑)
さて今日はある方へお手紙を書いたお話です。といいますのもその方からとっても褒められてうれしかったので、という余談です(笑)。きっかけは先日その方から素敵なお手紙をいただいたことです。実は普段やり取りするLINEの中で「お手紙って今のご時世だからこそ、まごころをしっかり届けることができていいですよ~。」なんて生意気にお話していたものですから、実際にトライしてくださったことがとても嬉しく感激しました。今回はその返信のために久々にお手紙を書く機会となりました。わたしの気持ちを込めるためには何がよいだろうかといろいろと考えを巡らせましたが、ここはやはり趣味で昔からよくつくる詩(今回は短歌)を本文とは別に添えることにしました。
白山や
道すがら咲く
忘れじの 花
色褪せぬは
久し友のよう
構想開始から、下書き、清書、封書、投函まで、およそ3~4時間といったところでしょうか(分量にして200字ちょっとです)。皆さんはお手紙を書く機会はおありですか?SNSやメールと違い何倍もの時間がかかってしまうのが欠点ですが、相手を想う時間を楽しむことができれば純度100%の表現ができるところがアナログの強みです。どんな便箋にするか、色や材質や模様はどうか、文字はどんな筆記用具で書くのか、あるいは書き手の文字や言い回しのクセなど、まさに全てがスペシャルなのです。いわばあなたの分身といっても過言ではありません。
遠い近い、他人身内問わず、大切にしたい人間関係に1アクション起こすべきときには些細な手間とまごころを形に残すことがとっても効果的です。やり始めると貰い手だけでなく書き手もきっと幸せな時間をすごせることでしょう。
来るべき時にはぜひお試しあれ。
今日もお付き合いありがとうございます。
ではまた。